~諏訪市とチター友好50周年~
第33回チター音楽祭 諏訪市霧ヶ峰で開催
紅葉の美しい信州霧ヶ峰に佇む山小屋「クヌルプヒュッテ」を会場に第33回チター音楽祭を開催いたします。ヨーロッパ・アルプス地方では古くから山小屋で良き仲間とチターを囲んで唄い踊って、楽しいひとときを過ごしてきました。このたびは楽器を持ち寄って音楽家の人々を中心に演奏し、語り合い、自然と溶合ったチターの世界へと皆さまをお誘いいたします。山小屋の主人松浦寿幸さんは1926年(大正15年)に元高遠藩士で漢学者の家系に生れ、公立中学校教師を経て、ご家族で「クヌルプヒュッテ」を維持しておられます。松浦さんは「小さな種子が標高1600メートルの高原の一隅に落ち、ようやく根を下し、山小屋の形になり60年がたちました。昭和34年に出来たばかりの山小屋も伊勢湾台風で吹き飛び、散った残骸を拾いあつめて小屋の型にもどし、厳冬期に水が涸れ融雪でしのいだことや、燃料の蒔が少なく、客の来ない日にはじっと寒さに耐えて過したこともあり、小屋暮しは我慢と耐えの暮しでした。昭和前半の戦争期に少年時代を送った私は、戦後、山国信州松本で学校生活をおくり、四圍の山々の標高を跋渉し森や野や川沿い、自然景観に入りこみ、歩き廻るリズムに親和の気持を育てていました。私には戦時下の無謀な精神から解き放たれてゆく時間が必要でした。たぶんそのような時代の若者にとって精神の洗濯と自己確認がどうしても缺かせられなかったのです。中学教師をやめ、人から離れて、あまりしゃべらず、自然の細部を見つめ、出直したかったのが山に入り込んだ動機でした。60年の歳月をふりかへると今は広い空の下、小屋のまわりの風景も茫々と広がっていた草原の型から森林化に向かい、兎や狐、てん、いたちなど、小動物や草花、蝶、小鳥、虫たちが無言のまま、すこしずつ立ち去ってゆくのを見送っているような気がしています。動植物の豊饒重層なネットを自然界は作っているように見えますが、すべてが危うい、その意味では尖鋭な場所のような気がしています。小さな地球にしてしまった人間の営為は、現在の『豊かさ』のもつ本質的な貧しさに対して、想像力と感性とで、人間は世界構造の極めて小さな部分でしかなく、自然界の中で生かされている存在であることを感得することが大切だと考へています。今から50年前の1966年夏に、諏訪市の姉妹都市であったオーストリア・チロルのクンドル・ベルグルの町に、諏訪市民であった私はチロルのそばに長期滞在することになり、友人達と鯉のぼりの記念品を現地の町役場にとどけ、その返礼に諏訪市はチターを一台いただいたことも楽しい思い出でした」と、話されます。自然を愛し、生命あるものに優しく寄り添う音色のチターを愛する松浦さんを囲んで、皆さまととともに、良き一日を過ごしたいと企画いたしました。小さな小屋ですので限られた人数となりますがご理解ください。ご参加をお待ちしております。
日時:2016年10月2日(日)13:00~
出演:チター 内藤敏子、内藤チターアカデミー有志
ヴァイオリン 青木博幸
マンドリン 徳田佐知子
ギター 木村 茂
踊り 伊藤はつ子、小泉道子、泊谷喜枝子
場所:長野県八ヶ岳中信高原国定公園
山小屋「クヌルプヒュッテ」
(長野県諏訪市霧ヶ峰沢渡)
交通:JR中央本線上諏訪駅下車、上諏訪駅諏訪湖口より諏訪バス「2.白樺湖線(霧ヶ峰~車山高原~白樺湖経由茅野駅行)」乗車約40分、沢渡バス停下車徒歩約3分
上諏訪駅よりタクシー約30分
中央自動車道諏訪インターチェンジより約40分(小屋まで約20キロメートル)
主催:日本チター協会
後援:山小屋「クヌルプヒュッテ」
内藤チターアカデミー
問合せ:Tel. 0266-58-5624
Tel. 03-3466-0477