チターを学ぶこと
オーストリアやドイツ、スイスの人々が古くから育んできたチターは、その美しい上品な音色によって人々の心に安らぎと感動を与えてきました。ハプスブルグ家が誇る、あの美しい最後の王妃エリザベートも生涯チターを愛し、心の安らぎとして奏でておりました。コンパクトで持ち運びが簡単な楽器ですが、6オクターブという音域があり、机の上にチターを置いて楽な姿勢で演奏するということから、ヨーロッパでも幅広い年齢層に親しまれております。 現在、私のもとでチターを勉強している最高齢の方は84才です。ほとんど楽器にふれた事のない方でも、生き生きと豊かな心で過ごされております。
チターというと「第三の男」で知られていますが、ルネッサンスやバロック音楽、ウィーン古謡やチロル民謡、日本の童謡等、美しい曲が楽しめ、一人でも友人と合奏する事もできます。どの楽器も勉強するという事は努力が必要ですが、心に必要以上の負担をかけずに、自然な気持ちで取組んでいく事が何よりも大切と思います。